WHAT'S NEW?

ピアノで弾く「WHAT'S NEW?」
お手本動画とコード譜で演奏方法を解説

「WHAT'S NEW」ジャズピアノのお手本

演奏:筆者(jpinfo/Midnight Jazz Piano

「WHAT'S NEW」コード譜

|C     |B♭mE♭7|A♭    |Dm G7 |
|Cm    |Dm G7 |C     |Dm G7 |
|C     |B♭mE♭7|A♭    |Dm G7 |
|Cm    |Dm G7 |C     |C7    |
|F     |E♭mA♭7|D♭m   |Gm C7 |
|Fm    |Gm C7 |F     |Dm7G7 |
|C     |B♭mE♭7|A♭    |Dm G7 |
|Cm    |Dm G7 |C     |C7    |

作曲

Bob Haggart

小節数

32小節

筆者の演奏のポイント(一般向け)

「WHAT'S NEW?」は「I'm Free」というタイトルのインストゥルメンタルの楽曲でした。歌詞が付けられてから曲名が変更された珍しい曲です。スローバラードとしても演奏されることが多いですが、筆者はストライド奏法を活用しながらスロー~ミディアムテンポで演奏しています。
曲の1番の特徴は、メジャーとマイナーの両方の顔を持つことがです。キーは「C」ですが、Aメロディーでは1小節目、7小節目ではメジャーの「C」が配置されています。一方で、5小節目にはマイナーコードの「Cm」になっており、Aメロディーの中にメジャーとマイナーが混ぜられています。これは、Bメロディーも同様です。17小節目、23小節目はメジャーの「F」である一方で、21小節目はマイナーの「Fm」が置かれているのです。曲を特徴を表すメジャーとマイナーのコードを明暗をつけて演奏することが大切です。さらに、そのコードに向かう「II→V進行」についても、メジャーとマイナーのコードに使われる音使いを使い分けることがポイントになります。メジャーとマイナーのコードが入れ替わりながら曲が進行しますので、常にどちらの調子かを意識しながら演奏しましょう。

筆者のアレンジ方法の解説(上級者向け)

続いて、筆者のコードアレンジを詳しく解説します。今回は、実際に用いたテンションノートにフォーカスして解説していきます。
4小節目の「Dm」→「G7」というコード進行では、マイナー調らしい暗めの音色を用いています。

|C     |B♭mE♭7|A♭    |Dm G7 

実際の演奏での音使いは「Dm♭5」→「G7♭5♭9」となります。どちらのコードにも「♭5th」が入り、暗い印象を強めることができます。「Dm♭5」の構成音は「D、F、A♭」です。短3度のディミニッシュコードの濁った響きを加える事ができます。また、「G7♭5♭9」の構成音のうち「A♭、B、D、F」はディミニッシュコードそのものになります。「II→V進行」の両方でディミニッシュの濁った音使いを含めることで、曲のマイナー調の部分を強調することができるのです。このようにコードをアレンジするとメジャーとマイナーの明暗をさらに強調でき、曲の魅力を引き立てる事ができるのです。

筆者の演奏について

本記事の「WHAT'S NEW?」の演奏は本ブログ「ジャズピアノペディア」とYouTubeチャンネル「Midnight Jazz Piano」を運営する筆者の演奏です。筆者は、アドリブソロ無しのジャズピアノ演奏でジャズの曲そのものの魅力を伝える活動をしています。多くのジャズピアニストがテーマだけの演奏をアルバムに収めているように、ジャズの曲はテーマだけでも十分魅力的なのです。これらの動画によってジャズを好きになってもらえると嬉しいです。また、演奏の解説がジャズピアノに興味を持つ方々のスキルアップの一助となれば幸いです。

他の曲の記事を見てみたい方は「ジャズスタンダード」をご覧ください。
最後まで「WHAT'S NEW?」をご覧いただき、ありがとうございました。

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