SKYLARK

「SKYLARK」のジャズピアノ

お手本動画とコード譜で演奏方法を解説

「SKYLARK」ジャズピアノのお手本

演奏:筆者(jpinfo/Midnight Jazz Piano

「SKYLARK」コード譜

|E♭ C7|Fm B♭7|E♭Am7|A♭ Cm|
|F7   |Fm B♭7|E♭ C7|FmB♭7|
|E♭ C7|Fm B♭7|E♭Am7|A♭ Cm|
|F7   |Fm B♭7|E♭A♭m|E♭E♭7|
|A♭Fm7|B♭mE♭7|A♭   |Gm7C7|
|Fm D♭|B♭m A♭|G Em |AmB♭7|
|E♭ C7|Fm B♭7|E♭Am7|A♭ Cm|
|F7   |Fm B♭7|E♭   |E♭   |

作曲

Hoagy Carmichael

小節数

32小節

筆者の演奏のポイント(一般向け)

「SKYLARK」はポピュラーミュージックとして作曲された曲です。ジャズスタンダードといわれるジャズの定番曲の中にはこのように昔のポピュラーミュージックのヒット曲も含まれています。とは言っても、現代のポピュラーミュージックとは構成も雰囲気もずいぶんと違う印象を受けます。
終始ゆったりのペースで弾くだけでは変化に乏しく、つまらない演奏になってしまいます。そこで、サビに入る17小節あたりでは音を短く切って躍動感を演出しています。こうすることで、音が鳴っている部分と音が鳴っていない部分のリズムの抑揚によって4拍子をより細分化して感じられるようにできるのです。この弾き方には、他にもメリットがあります。
この曲はスローバラードなので、ピアノソロで弾く場合はテンポを崩すか、ゆったりしたテンポを維持しながら弾かなければなりません。筆者の演奏ではゆっくりのテンポを維持しながら演奏しています。リズムを維持してくれるベースやドラムがいれば、テンポを維持するのは比較的楽なのですが、ピアノソロでゆったりしたテンポを維持するのは難しく、コツがあります。
それが、拍を細分化して捉えることなのです。4分の4拍子を意識しながら演奏するのではなく、細分化した8分の8拍子もしくは16分の16拍子という意識をもって弾くことができると、テンポを安定させながら演奏することができるようになります。

筆者のアレンジ方法の解説(上級者向け)

「SKYLARK」を上手く弾くためのポイントを2つ紹介します。

ポイント①ベースラインのアレンジ
コードのアレンジはサビの部分に特徴を持たせて演奏しています。22小節目からの「Fm」→「D♭」→「B♭m」→「A♭」→「G」→「Em」というコード進行をスムーズに聴かせるため、ベースラインに音を付け足しています。

|A♭Fm7|B♭mE♭7|A♭   |Gm7C7|
Fm D♭|B♭m A♭|G Em |AmB♭7|

実際には、下記のとおり全音または半音進行が連なるようにベースラインを弾いているのです。
「F」→「E♭」→「D♭」→「C」→「B♭」→「A♭」→「G」→「F♯」→「Em」
たったこれだけでベースラインがスムーズになり、曲も自然な流れで演奏することができるようになります。

ポイント②コードのアレンジ
もう一つのアレンジのポイントは3~4小節目のコードアレンジです。「Am7」は♭5のテンションノートを入れて「Am7♭5」として弾くと、良い雰囲気を演出できます。この場合、「Am7」の前のコード「E♭」のルート音であるとともに、キーの音「E♭」でもありますので、自然な流れでおしゃれな感じに仕上がるのです。また、4小節目の「A♭」→「Cm」のコード進行も自然な流れで弾けるように「A♭」→「Gdim」→「F♯Alt」と裏コードを使い、コードのルート音が半音ずつ下がりながら5小節目の「F7」につなげると、いい雰囲気で演奏することができます。

|E♭ C7|Fm B♭7|E♭Am7|A♭ Cm
|F7   |Fm B♭7|E♭ C7|FmB♭7|

筆者の演奏について

本記事の「SKYLARK」の演奏は本ブログ「ジャズピアノペディア」とYouTubeチャンネル「Midnight Jazz Piano」を運営する筆者の演奏です。筆者は、アドリブソロ無しのジャズピアノ演奏でジャズの曲そのものの魅力を伝える活動をしています。多くのジャズピアニストがテーマだけの演奏をアルバムに収めているように、ジャズの曲はテーマだけでも十分魅力的なのです。これらの動画によってジャズを好きになってもらえると嬉しいです。また、演奏の解説がジャズピアノに興味を持つ方々のスキルアップの一助となれば幸いです。

他の曲の記事を見てみたい方は「ジャズスタンダード」をご覧ください。
最後まで「SKYLARK」をご覧いただきありがとうございました。

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