VERY EARLY
「VERY EARLY」のジャズピアノお手本動画とコード譜で演奏方法を解説
「VERY EARLY」ジャズピアノのお手本
演奏:筆者(jpinfo/Midnight Jazz Piano)
「VERY EARLY」コード譜
|CM |B♭7 |E♭M7 |A♭7 |
|D♭M7 |G7 |CM7 |B♭7 |
|DM7 |Am7 |G♭m7 |B7 |
|Em7 |A♭7 |D♭M7 |G7 |
|CM |B♭7 |E♭M7 |A♭7 |
|D♭M7 |G7 |CM7 |B♭7 |
|DM7 |Am7 |G♭m7 |B7 |
|Em7 |A♭7 |D♭M7 |G7 |
|BM7 |A♭7 |D♭M7 |B♭7 |
|BM7 |G7 |CM7 |A♭7 |
|D♭M7 |G7 |CM7 |A7 |
|Dm Em|F G7 |CM7 |CM7 |
作曲
BILL EVANS
小節数
64小節
筆者の演奏のポイント(一般向け)
「VERY EARLY」はビルエバンスの代表作の一つです。その流れるようなコード進行に合わせ、メロディーがキーを変えながら演奏されていきます。とてもきれいな3拍子の曲で、ジャズスタンダードナンバーとして多くのアーティストに演奏されています。
筆者の演奏では、初めのAメロディー(1~16小節目)は高音域で演奏し、まるでイントロのように弾いています。その後は3拍子を基調としたベースラインに2拍子のリズムを時折混ぜながら演奏してます。こうすることで、単なる3拍子ではなく6/8拍子のリズムが感じられるようになます。リズムを細かく感じさせることで、聴き手にスピード感が印象付けられるのです。3拍子の曲を演奏する時には、6/8拍子のリズムを交えた演奏方法も考えてみましょう。
筆者のアレンジ方法の解説(上級者向け)
続いて、筆者の特徴的なアレンジを解説します。本曲は特徴的なコード進行を有し、曲として完成されています。そのため、下手にコード進行をアレンジするよりも譜面通り弾いた方が「VERY EARLY」の曲の特徴と魅力が引き立ちます。実際の演奏でも、珍しくコード進行は変更していないのです。
一方で、Bメロディーに入る前に曲の区切りを強調する目的で特徴的な音使いをしています。ここでは、その音使いについて解説します。
|Em7 |A♭7 |D♭M7 |G7 |
特徴的な音使いは、32小節目の「G7」で用いています。筆者はここでホールトーンスケールを用いて演奏しています。ホールトーンスケールは全音進行のみの特徴的な音階であり、不思議な音色を出すことができます。この不思議な雰囲気は、曲のイントロやエンディング、曲の区切りなどで使うと特に効果的なのです。32小節目のAメロディーの終わりにホールトーンを使うことで「AメロディーからBメロディーに強調が変化しそうな印象」を聴き手に与えられるのです。すると、聴き手は曲調が変わることが事前にわかるので、安心して曲の変化を受け入れることができるのです。結果として、変化がある曲であっても、聴き手の緊張感を和らげ、落ち着いて演奏を聴いてもらえるのです。
筆者の演奏について
本記事の「VERY EARLY」の演奏は本ブログ「ジャズピアノペディア」とYouTubeチャンネル「Midnight Jazz Piano」を運営する筆者の演奏です。筆者は、アドリブソロ無しのジャズピアノ演奏でジャズの曲そのものの魅力を伝える活動をしています。多くのジャズピアニストがテーマだけの演奏をアルバムに収めているように、ジャズの曲はテーマだけでも十分魅力的なのです。これらの動画によってジャズを好きになってもらえると嬉しいです。また、演奏の解説がジャズピアノに興味を持つ方々のスキルアップの一助となれば幸いです。
他の曲の記事を見てみたい方は「ジャズスタンダード」をご覧ください。
最後まで「VERY EARLY」をご覧いただき、ありがとうございました。