MY SHIP

「MY SHIP」のジャズピアノ

お手本動画とコード譜で演奏方法を解説

ジャズピアノのお手本

   

演奏:筆者(jpinfo/Midnight Jazz Piano)

コード譜

|F  D7 |G  C7 |F  D7 |Bm7B♭7
|Am D7 |Gm E♭7|Dm A♭7|Gm7C7 |
|F  D7 |G  C7 |F  D7 |Bm7B♭7
|Am D7 |Gm E♭7|Dm A♭7|C7 F  |
|C7    |C7    |Gm7   |Fm B♭7
|Am7D7 |Am7D7 |Am7G7 |C7    |
|F  D7 |G  C7 |F  D7 |Bm7B♭7
|Am D7 |Gm E♭7|Dm C7 |FM7C7 |
|FM7Dm7|B♭ ♭7|Am D7 |Gm C7 |
|F     |F     |              

作曲

Kurt Weil

小節数

38小節

筆者の演奏のポイント(一般向け)

「MY SHIP」はブロードウェイミュージカルの歌として人気が出た曲です。今ではジャズスタンダードとして定着しています。ゆったりした雰囲気が何に由来するのか、説明します。1〜2小節、3~4小節、5~6小節で似たメロディーが使われています。どれも4分音符や2分音符で弾けるメロディーラインであり、音と間隔が広くとられています。それらが合わさって形成されるAメロディー(1~8小節)は、1曲のうちに3回も登場します。また、サビのBメロディー(17~24小節)でもメロディーの音の間隔が広く空けられています。ここでも似た旋律が2回登場します。このように、音の間隔が広いメロディーラインが何回も演奏されることで、特徴的なゆったり感が演出されているのです。
したがって、「MY SHIP」の魅力を引き出すためには、メロディーを崩さずに弾くことがポイントとなります。それさえ守れば、どのような弾き方で演奏してもゆったりした雰囲気になります。実際の筆者の演奏では鍵盤をたたくように強く弾いています。それにも関わらず、ゆったりした雰囲気が演出できるのは、曲の雰囲気を決める特徴あるメロディーを崩さずに弾いているからなのです。

筆者のアレンジ方法の解説(上級者向け)

「My SHIP」はメロディーには手を加えず、コードのアレンジでジャズらしさや個性を加えると良いでしょう。筆者が実際に行ったアレンジをいくつか解説します。

アレンジ①
1~2小節目の「D7」→「G」は濁った音色を用いています。これは、ディミニッシュの音色に続いて6th、9thのテンションノートを活用しているのです。

|F  D7 G  C7 |F  D7 |Bm7B♭7

実際の筆者の音色は「E♭dim on D」→「G, B, E, A」となります。ディミニッシュは濁ったジャズらしい音色が簡単に作れるので、このアレンジ方法はおすすめです。別の解釈をすると「D7♭9」に捉えられますが、ディミニッシュコードの特徴である短3度の和音の響きを活用する事が大切です。続く「G」では「B, E, A」で構成される4度和音の硬い響きを上手く活用しています。4度の和音は突然使うと曲になじまないケースが多いですが、ディミニッシュの濁った音色の後で用いると、うまく溶け込んで心地よい濁った音色として使えるのです。

アレンジ②
23小節目ではトライアドの音色を活用してコードをアレンジしています。トライアドは2種類のコードを重ねて鳴らすことで、複雑な音色を作る技法のことです。

|Am7D7 |Am7D7 |Am7G7 |C7    |

実際の演奏では「G on Am7」→「A♭7」→「E♭ on G7」→「D♭7」として演奏しており、メロディー1音ごとにコードを変えながら、2種類のトライアドを用いているのです。また、「Am7」と「G7」の間に「A♭7」を追加していること、「G7」の裏コードとして「D♭7」を追加している点もポイントです。自然な流れを保ちながら、ふわっとした雰囲気が出すためにコード進行が半音進行になるようにアレンジしているのです

筆者の演奏について

本記事の「MY SHIPの演奏は本ブログ「ジャズピアノペディア」とYouTubeチャンネル「Midnight Jazz Piano」を運営する筆者の演奏です。筆者は、アドリブソロ無しのジャズピアノ演奏でジャズの曲そのものの魅力を伝える活動をしています。多くのジャズピアニストがテーマだけの演奏をアルバムに収めているように、ジャズの曲はテーマだけでも十分魅力的なのです。これらの動画によってジャズを好きになってもらえると嬉しいです。また、演奏の解説がジャズピアノに興味を持つ方々のスキルアップの一助となれば幸いです。

最後まで「MY SHIP」をご覧いただき、ありがとうございました。