WALTZ FOR DEBBY
「WALTZ FOR DEBBY」のジャズピアノ
お手本動画とコード譜で演奏方法を解説
「WALTZ FOR DEBBY」ジャズピアノのお手本
演奏:筆者(jpinfo/Midnight Jazz Piano)
「WALTZ FOR DEBBY」コード譜
|FM7/A |Dm7 |Gm7 |C7 |
|A7/G |D7/F# |G7/F |C7/E |
|F7/E♭ |B♭6/D |Gm7/D♭|C7/B♭ |
|Am7 |Dm7 |Gm7 |C7 |
|FM7/A |Dm7 |Gm7 |C7 |
|A7/C# |D7/C |G7/B |C7/B♭ |
|A7 |Dm7 |B7 |E7 |
|A/C# |Bm7 |AM7/G#|AM7/G#|
|Gm7 |C7 |Am7 |D7 |
|Gm7 |A7 |Dm7 |Cm7 |
|B♭M7 |A7 |Dm7 |G7 |
|A♭M7 |D♭M7 |Gm7 |C7 |
|FM7/A |Dm7 |Gm7 |C7 |
|A7/G |D7/F# |G7/F |C7/E |
|F7/E♭ |B♭6/D |Gm7/D♭|C7/B♭ |
|Am7 |D7 |Bm7 |E7 |
|Am7 |F7 |B♭7 |A7 |
|Dm7 |Dm7 |G7 |G#dim |
|Am7/C |A♭dim |Gm7/C |C7 |
|F |Dm7 |Gm7 |C7 |
作曲
Bill Evans
小節数
80小節
筆者の演奏のポイント(一般向け)
「WALTZ FOR DEBBY」はビルエバンス作曲の3拍子(ワルツ)で、当時2歳の姪のデビィにささげられたものです。アルバム「Waltz For Debby」は日本でもヒットし、ピアノトリオのジャズのアルバムとしては圧倒的な人気があります。
コード譜を見ると、一小節目は「FM7/A」と書かれています。これは、和音(コード)はFM7だけど、一番低いベースの音はAで弾いてね、という音の指定があるコードになります。このようにベース音を指定するコードをオンコードと言います。「FM7/A」は、エフメジャーセブンス・オン・エーと言います。「Waltz For Debby」では、オンコードが多用されていることが分かります。このように音の指定が多い曲は、演奏自由度が高いジャズの曲では珍しいです。逆にいうと、このように音色が作り込まれている曲だからこそ、他の曲とは違う魅力が感じられるのです。筆者の演奏でも、オンコードを忠実に守ることで曲そのものの魅力を表現しています。
筆者のアレンジ方法の解説(上級者向け)
続いて、筆者のアレンジについて解説します。前述したとおり、ベース音とコード音が指定されているオンコードが多用されているため、その指示にならって演奏することが基本となります。
アレンジ①ベースラインをスムーズに!
ベース音をスムーズにつなげてみましょう。28~29小節目は「E7→A/C#」というコード進行です。
|A7 |Dm7 |B7 |E7 |
|A/C# |Bm7 |AM7/G#|AM7/G#|
ベース音は「E→C#」となりますが、筆者の演奏では「E→D→C#」として弾いています。この方がEからC#へのベース音の動きを自然な流れでつなぐことができます。
アレンジ②裏コードでジャズの音色に!
裏コードを使い、音色をジャズらしくしてみましょう。61~64小節目では、オンコードにはなっておらず、アレンジを加えやすい箇所と言えます。
|Am7 |D7 |Bm7 |E7 |
筆者の演奏では、上記のコード進行を「Am7→A♭7→Bm7→B♭7」とアレンジして弾いています。裏コードを用いることで「D7」を「A♭7」、「E7」を「B♭7」に変更しています。こうすることで、ジャズの音色が取り入れられるのに加え、手の動きも少なくて済みます。裏コードの利用は、一石二鳥のアレンジと言えます。
筆者の演奏について
本記事の「WALTZ FOR DEBBY」の演奏は本ブログ「ジャズピアノペディア」とYouTubeチャンネル「Midnight Jazz Piano」を運営する筆者の演奏です。筆者は、アドリブソロ無しのジャズピアノ演奏でジャズの曲そのものの魅力を伝える活動をしています。多くのジャズピアニストがテーマだけの演奏をアルバムに収めているように、ジャズの曲はテーマだけでも十分魅力的なのです。これらの動画によってジャズを好きになってもらえると嬉しいです。また、演奏の解説がジャズピアノに興味を持つ方々のスキルアップの一助となれば幸いです。
他の曲の記事を見てみたい方は別の記事「ジャズスタンダード」の曲目リストをご覧ください。
最後まで「WALTZ FOR DEBBY」をご覧いただき、ありがとうございました。