TAKE THE A TRAIN

「TAKE THE A TRAIN」のジャズピアノ
お手本動画とコード譜で演奏方法を解説

「TAKE THE A TRAIN」ジャズピアノのお手本

演奏:筆者(jpinfo/Midnight Jazz Piano

「TAKE THE A TRAIN」コード譜

|C     |C     |D7    |D7    |
|Dm7   |G7    |C     |Dm7 G7|
|C     |C     |D7    |D7    |
|Dm7   |G7    |C     |Gm7 C7|
|FM7   |FM7   |FM7   |FM7   |
|D7    |D7    |Dm7   |G7    |
|C     |C     |D7    |D7    |
|Dm7   |G7    |C     |C     |

作曲

Billy Strayhorn

小節数

32小節

筆者の演奏のポイント(一般向け)

「TAKE THE A TRAIN」は多くのミュージシャンにカバーされ、テレビや映画でも使われているスタンダードナンバーです。日本では「A列車で行こう」というタイトルでも親しまれており、電車の運行をイメージしたアレンジが施されることも多い曲です。筆者の演奏も、電車の運行をイメージして演奏しています。

曲の始まりはゆっくりと加速し、曲の終わりはゆっくりと減速するように演奏することで、蒸気機関車が駅を発車し、スローダウンして次の駅に停車する雰囲気を演出できます。1曲を通して、左手で一定のリズムのベース音を弾くことで、加速・減速のテンポの変化を強調し「ガタンゴトン」という電車の音を表現することができるのです。さらに、ドップラー効果がかかった踏切の音を半音進行の和音で表現したり、汽車の汽笛の音を感じさせる音使いを加え、列車が題材の曲の魅力を高めることができます。


筆者のアレンジ方法の解説(上級者向け)

続いて、筆者のアレンジの特徴について解説します。

アレンジ①汽笛の音色を表現

3~4小節目のメロディーの合間には、機関車の汽笛をイメージした音色を鳴らしています。

|C     |C     |D7    |D7    

D7のコード進行でホールトーンをイメージさせるテンションノート「♭5th(A♭)」を加え「E、(G)、A♭」の音を用いています。汽笛の音は、木管楽器のように倍音構成の要素を強く含みます。そこで、倍音の要素を含む長3度の和音を用いることで、汽笛のような自然な音色を表現することができるのです。

アレンジ②ドップラー効果を表現

7~8小節目では、コード進行をアレンジして、音使いを半音進行で下げることで、ドップラー効果のかかった音を表現しています。

|Dm7   |G7    |C     |D7 

上記の「C→Dm7→G7」を「C→E♭7→D7→D♭7」とし、セブンスのコードを半音進行で下げていきます。ここでは、テンションノートとして9thを加え、音量を「小→大→小」と強弱をつけて弾いています。こうすると、走る列車が踏切を通り過ぎる瞬間の、ドップラー効果がかかった踏切の音を表現することができるのです。


筆者の演奏について

本記事の「TAKE THE A TRAIN」の演奏は本ブログ「ジャズピアノペディア」とYouTubeチャンネル「Midnight Jazz Piano」を運営する筆者の演奏です。筆者は、アドリブソロ無しのジャズピアノ演奏でジャズの曲そのものの魅力を伝える活動をしています。多くのジャズピアニストがテーマだけの演奏をアルバムに収めているように、ジャズの曲はテーマだけでも十分魅力的なのです。これらの動画によってジャズを好きになってもらえると嬉しいです。また、演奏の解説がジャズピアノに興味を持つ方々のスキルアップの一助となれば幸いです。

他の曲の記事を見てみたい方は「ジャズスタンダード」をご覧ください。
最後まで「TAKE THE A TRAIN」をご覧いただき、ありがとうございました。

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