AUTUMN IN NEW YORK
「AUTUMN IN NEW YORK」のジャズピアノ
お手本動画とコード譜で演奏方法を解説
「AUTUMN IN NEW YORK」ジャズピアノのお手本
演奏:筆者(jpinfo/Midnight Jazz Piano)
「AUTUMN IN NEW YORK」コード譜
|Gm7Am7|B♭ C7 |F Gm7|Am7 D7|
|Gm7Am7|B♭ C7 |Am7 |D7 |
|Gm |B♭mE♭7|A♭M7 |Dm7 G7|
|Cm7 |Dm7 G7|CM7 |Am7 D7|
|Gm7Am7|B♭ C7 |F Gm7|Am7 D7|
|Cm7Dm7|E♭m7F7|B♭m6 |Gm7 C7|
|Fm7 C7|Fm A♭7|D♭MA♭7|D♭MA♭7|
|Gm7Am7|B♭m C7|Fm |Fm |
作曲
Vernon Duke
小節数
32小節
筆者の演奏のポイント(一般向け)
「AUTUMN IN NEW YORK」はミュージカルで使われ、広く人気となったジャズスタンダードナンバーで、秋を代表する曲の1つです。この曲からは秋の哀愁が感じられます。独特な雰囲気は、スムーズなコード進行によって演出されているのです。一般的によくあるコード進行「II→V→I」とは違い、少しずつ高い音にずれていくようなコード進行「G→A→B♭→C」が曲の全体に用いられているのです。実施の演奏では、このような曲の特徴を忠実に演奏することで、曲の良さを活かしています。
また、テーマメロディーも一風変わっています。多くのジャズの曲は主にAメロディー、Bメロディー(サビ)の2パターンで構成されており、それぞれのメロディーが「A→A→B→A」または「A→B→A→B」のような流れで演奏されて1曲が成り立っています。
一方で、「AUTUMN IN NEW YORK」はメロディーA(1~8小節)、メロディーB(9~16小節)、メロディーC(25~32小節)の3パターンから構成されています。一曲の構成は「A→B→A'→C」という形です。決まったメロディーが繰り返される回数が少ない分、曲のメロディーが覚えにくいといった「あいまいさ」が生まれているのです。メロディーの「あいまいさ」こそがこの曲から哀愁が漂う要因でもあるのです。曲の雰囲気を意識してむやみにメロディーを崩すと、何の曲かわからくなっていまします。余計なことをせずにメロディーを忠実に演奏しても曲の雰囲気は十分出ます。筆者もテーマメロディはしっかり弾いて曲の良さを表現しています。
筆者のアレンジ方法の解説(上級者向け)
前述したとおり、この曲の特徴の一つはコード進行にあります。筆者の演奏では、この特徴を際立たせるために、コード進行にさらにアレンジを加えています。アレンジで最も特徴的な部分は26小節目の「Fm」→「A♭7」の箇所です。
|Fm7 C7|Fm A♭7|D♭MA♭7|D♭MA♭7|
実際の筆者の演奏では「F7alt」→「E7alt」→「E♭7alt」→「D7alt」として半音進行で下がるオルタードスケールの音色にコードをアレンジしています。元の「A♭7」を代理コードである「D7alt」に変更し、「F」から半音進行で音をずらしていくことで、この曲の特徴である「少しずつずらすコード進行」の箇所を増やしているのです。このようにコード進行をアレンジすることで曲が持つ特色をより際立たせることができます。
筆者の演奏について
本記事の「AUTUMN IN NEW YORK」の演奏は本ブログ「ジャズピアノペディア」とYouTubeチャンネル「Midnight Jazz Piano」を運営する筆者の演奏です。筆者は、アドリブソロ無しのジャズピアノ演奏でジャズの曲そのものの魅力を伝える活動をしています。多くのジャズピアニストがテーマだけの演奏をアルバムに収めているように、ジャズの曲はテーマだけでも十分魅力的なのです。これらの動画によってジャズを好きになってもらえると嬉しいです。また、演奏の解説がジャズピアノに興味を持つ方々のスキルアップの一助となれば幸いです。
他の曲の記事を見てみたい方は「ジャズスタンダード」をご覧ください。
最後まで「AUTUMN IN NEW YORK」をご覧いただき、ありがとうございました。