OVER THE RAINBOW
「OVER THE RAINBOW」のジャズピアノ
お手本動画とコード譜で演奏方法を解説
「OVER THE RAINBOW」ジャズピアノのお手本
演奏:筆者(jpinfo/Midnight Jazz Piano)
「OVER THE RAINBOW」コード譜
|Am D7 |Gm E♭7|A♭Adim|Gm E♭7|
|A♭ A♭m|Gm7C7 |Fm7B♭7|E♭ B♭7|
|Am D7 |Gm E♭7|A♭Adim|Gm E♭7|
|A♭ A♭m|Gm7C7 |Fm7B♭7|E♭ |
|E♭ Cm7|Fm7B♭7|Gm7C7 |Fm7B♭7|
|E♭ Cm7|Am7D7 |Gm7C7 |Fm7B♭7|
|Am D7 |Gm E♭7|A♭Adim|Gm E♭7|
|A♭ A♭m|Gm7C7 |Fm7B♭7|E♭ |
作曲
Harold Arlen
小節数
32小節
筆者の演奏のポイント(一般向け)
「OVER THE RAINBOW」は、映画「オズの魔法使」で使われた歌です。今では、ジャズスタンダードとして広く親しまれています。
筆者の演奏ではサビの部分のメロディをアレンジしてイントロとエンディングに使っています。このように、曲のメロディラインを基にイントロやエンディングを作成すると、曲全体に統一感を出すことができます。
また、有名曲であるがゆえに単調に演奏してしまうと、面白みに欠けます。32小節という短い曲の中で曲調に変化をつけたいところです。筆者の演奏の25~28小節目では、右手がブロックコード、左手がストライド奏法という2つの演奏方法を組み合わせて弾いています。こうすることで、1~16小節目とは曲調を変えつつ、大きな盛り上がりを演出できるのです。
筆者のアレンジ方法の解説(上級者向け)
筆者のイントロとエンディングの演奏方法は、B♭のペダルポイントを活用しています。ペダルポイントは「I」もしくは「V」の音を使うのが一般的ですが多くの場合「V」を用いた方が雰囲気が良いです。加えて、エンディングの終わりではホールトーンで構成される3度の和音を配置することで、ふわっとした不思議な雰囲気を演出できます。このような音を入れることで「オズの魔法使」「虹の彼方に」というタイトルの印象を音楽で表現しているのです。
サビの部分のコードアレンジにも特徴を持たせています。17~18小節目の「E♭」→「Cm7」→「Fm7」→「B♭7」というコード進行をアレンジすることで独特の雰囲気を演出できています。
|E♭ Cm7|Fm7B♭7|Gm7C7 |Fm7B♭7|
|E♭ Cm7|Am7D7 |Gm7C7 |Fm7B♭7|
実際の演奏で用いたコードは「D♭dim」→「Ddim」となります。原曲のコード譜では同じような箇所が4小節後の21~22小節にありますので、その部分との違いをつけるというのがアレンジの目的の1つとなります。さらに、17~18小節目でディミニッシュという不安定な音を用いることで、21~22小節のサビの盛り上がりをより強調しているのです。
ピアノ楽譜
「OVER THE RAINBOW」のピアノ楽譜です。ぜひ、演奏の参考にしてください。
筆者の演奏について
本記事の「OVER THE RAINBOW」の演奏は本ブログ「ジャズピアノペディア」とYouTubeチャンネル「Midnight Jazz Piano」を運営する筆者の演奏です。筆者は、アドリブソロ無しのジャズピアノ演奏でジャズの曲そのものの魅力を伝える活動をしています。多くのジャズピアニストがテーマだけの演奏をアルバムに収めているように、ジャズの曲はテーマだけでも十分魅力的なのです。これらの動画によってジャズを好きになってもらえると嬉しいです。また、演奏の解説がジャズピアノに興味を持つ方々のスキルアップの一助となれば幸いです。
他の曲の記事を見てみたい方は「ジャズスタンダード」をご覧ください。
最後まで「OVER THE RAINBOW」をご覧いただき、ありがとうございました。