STELLA BY STARLIGHT

 「STELLA BY STARLIGHT」のジャズピアノ
お手本動画とコード譜で演奏方法を解説

「STELLA BY STARLIGHT」ジャズピアノのお手本

演奏:筆者(jpinfo/Midnight Jazz Piano

「STELLA BY STARLIGHT」コード譜

|Em7   |A7    |Cm    |F7    |
|Fm    |B♭7   |E♭    |A♭7   |
|B♭    |Em A7 |Dm    |Gm C7 |
|F     |Gm    |Am    |D7    |
|G7    |G7    |Cm    |Cm    |
|E♭m   |E♭m   |B♭    |B♭    |
|Em    |A7    |Dm    |G7    |
|Cm7   |F7    |B♭    |B♭    |

作曲

Victor Young

小節数

32小節

筆者の演奏のポイント(一般向け)

「STELLA BY STARLIGHT」はVictor Youngが映画のために作曲したジャズスタンダードです。歌詞は後から付けられています。曲の構成は独特です。ジャズの曲でありがちなA→A→B→Aのような構成とは違います。同じメロディーが現れる箇所は、1~4小節と25~28小節の2か所しかありません。そのため、曲のメロディーがはっきりしないような印象を与えます。加えて、コード進行が転調を繰り返しているため、曲のキー(調)もはっきりしないのです。これらの要素から、STELLA BY STARLIGHTは他にはない独特の魅力を感じさせ、多くのミュージシャンに親しまれるジャズスタンダードナンバーとなったのです。
筆者の演奏では19~24小節目で音色と演奏法を工夫して独特の雰囲気を出しています。ここで用いた音色はホールトーンと言われる全音進行の音色であり、宇宙を感じさせるような不思議な雰囲気を出すことができるのです。最後(31~32小節目)にも同様の演奏法を加え、曲全体のバランスを整えながら演奏を締めくくれるのです。不思議な雰囲気を演出したいときは、ホールトーンの音色を活用してみてください。

筆者のアレンジ方法の解説(上級者向け)

続いて、筆者のアレンジの特徴について解説します。今回は特に特徴的な17~24小節目のコードアレンジについて説明します。

G7♭13 |G7♭13 |Cm    |Cm    |
D7♭13 |D7♭13 |G7    |G7    

17~18小節目は「G7♭13」→「G7♭13、21~24小節目は「D7♭13」→「D7♭13」→「G7」→「G7」という具合に大きくコードを変更しています。星や宇宙など、ふわっとした独特の雰囲気を演出したいときには、ホールトーンのスケールを活用すると効果的です。17~18小節目で♭13の音色を加えることで、ホールトーンの特徴を持つ、長3度の和音の音色が加わります。21~22小節目も音使いは同様ですが、ホールトーンを特徴づける「1th、3th、♭13th」の3度の和音を、より強調するために、反響音が聞こえるように繰り返し弾いているのです。反響音が聞こえるような演奏方法は、空間の広がりを感じさせる効果が得られます。ここでは、ホールトーンの不思議な音色に空間的な広がりを加えることで、宇宙空間を演出をしています。
最後に、23~24小節目はコード譜通りのB♭ではなく、Gを代理コードとして用いることで、原曲のコードがはっきりしない魅力をさらに引き立てているのです。

ピアノ楽譜

「STELLA BY STARLIGHT」のピアノ楽譜です。楽譜は少し簡単にしてあります。演奏の参考にしてください。

筆者の演奏について

本記事の「STELLA BY STARLIGHT」の演奏は本ブログ「ジャズピアノペディア」とYouTubeチャンネル「Midnight Jazz Piano」を運営する筆者の演奏です。筆者は、アドリブソロ無しのジャズピアノ演奏でジャズの曲そのものの魅力を伝える活動をしています。多くのジャズピアニストがテーマだけの演奏をアルバムに収めているように、ジャズの曲はテーマだけでも十分魅力的なのです。これらの動画によってジャズを好きになってもらえると嬉しいです。また、演奏の解説がジャズピアノに興味を持つ方々のスキルアップの一助となれば幸いです。

他の曲の記事を見てみたい方は「ジャズスタンダード」をご覧ください。
最後まで「STELLA BY STARLIGHT」をご覧いただき、ありがとうございました。

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