THE GIRL FROM IPANEMA

ピアノで弾く「THE GIRL FROM IPANEMA」
お手本動画とコード譜で演奏方法を解説

「THE GIRL FROM IPANEMA」ジャズピアノのお手本


「THE GIRL FROM IPANEMA」コード譜

|FM7   |F7M   |G7    |G7    |
|Gm    |C7    |F     |F     |
|FM7   |F7M   |G7    |G7    |
|Gm    |C7    |F     |F     |
|G♭M7  |G♭M7  |B7    |B7    |
|F♯m   |F♯m   |D7    |D7    |
|Gm    |Gm    |E♭m   |E♭m   |
|Am    |D7    |Gm    |C7    |
|FM7   |F7M   |G7    |G7    |
|Gm    |C7    |F     |F     |

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Key

F

作曲

Antonio Carlos Jobin

小節数

40小節

筆者の演奏のポイント(一般向け)

「THE GIRL FROM IPANEMA」はボサノバのジャズスタンダードナンバーです。筆者の演奏では1拍目、2拍目の裏拍、3拍目、4拍目の裏拍にベース音を弾いています。4拍目と2拍目の裏拍にベースラインを入れるため、ピアニストからすれば1拍目と3拍目のベースラインにシンコペーションが用いていると解釈できます。このようにボサノバを弾くポイントは、裏拍にベースラインを弾くことにあります。
また、ボサノバに合う弾き方として和音トレモロを用いています。17小節目、20小節目、21小節目、24小節目などの右手の弾き方が和音トレモロです。メロディーラインをコードと共に弾き、和音をトリルのように弾く演奏法です。こうすることで、バンジョーやギターをじゃらじゃら弾くような雰囲気を出すことができます。長く音が伸びるメロディーを弾くときに活用すると効果的です。ボサノバに代表されるラテンミュージックをピアノで演奏する時には、和音トレモロを上手に活用してみましょう。

筆者のアレンジ方法の解説(上級者向け)

続いて、筆者のアレンジの特徴を詳しく解説します。
最も特徴的なアレンジは、Aメロディーの部分にあります。実際の演奏では、ベースラインをほとんど変えずに弾いているのです。

|FM7   |F7M   |G7    |G7    |
|Gm    |C7    |F     |F     

3~6小節目のコード進行を「G7 on F」→「G7 on F」→「Gm on F」→「C7 on F」に変更しています。曲のキーが「F」であり転調も無いので、ベースラインはずっと「F」で弾いても違和感なく演奏することができます。コードの動きは右手のブロックコードで表現することができるので、曲調が単調になることもありません。Aメロディーはダイアトニックコードの進行なのでコード譜通りに演奏すると、コードの変化の主張が強くなってしまいます。右手ではコード変化を演奏しつつも、ベースラインはキーである「F」を貫くことで、コード変化の影響を弱くして、曲全体の調和を強めているのです。これは、コード変化の主張が強すぎると感じる場合に活用できるアレンジテクニックなのです。

筆者の演奏について

本記事の「THE GIRL FROM IPANEMA」の演奏は本ブログ「ジャズピアノペディア」とYouTubeチャンネル「Midnight Jazz Piano」を運営する筆者の演奏です。筆者は、アドリブソロ無しのジャズピアノ演奏でジャズの曲そのものの魅力を伝える活動をしています。多くのジャズピアニストがテーマだけの演奏をアルバムに収めているように、ジャズの曲はテーマだけでも十分魅力的なのです。これらの動画によってジャズを好きになってもらえると嬉しいです。また、演奏の解説がジャズピアノに興味を持つ方々のスキルアップの一助となれば幸いです。

他の曲の記事を見てみたい方は「ジャズスタンダード」をご覧ください。
最後まで「THE GIRL FROM IPANEMA」をご覧いただき、ありがとうございました。

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