SATIN DOLL

「SATIN DOLL」

「SATIN DOLL」解説

この曲は、Billy StrayhornDuke Ellingtonが作曲し、ジョニー・マーサーが作詞したジャズスタンダードです。 1953年に書かれたこの曲は、エラ・フィッツジェラルド、テリー・キャリエ、ナンシー・ウィルソンなどによってレコーディングされている。珍しいコード進行が使われていることでも有名です。

SATIN DOLLの歌詞は、この曲がインストゥルメンタル版でヒットした後に書かれたものです。Duke Ellingtonは、ほとんどのコンサートで「SATIN DOLL」をエンディング・ナンバーとして使用していたことが知られています。


「SATIN DOLL」のジャズピアノのお手本

「SATIN DOLL」コード譜

|Dm G7 |Dm G7 |Em A7 |Em A7 |
|D7    |D♭7   |C     |A7    |
|Dm G7 |Dm G7 |Em A7 |Em A7 |
|D7    |D♭7   |C     |C     |
|Gm C7 |Gm C7 |F     |F     |
|Am D7 |Am D7 |G7    |A7    |
|Dm G7 |Dm G7 |Em A7 |Em A7 |
|D7    |D♭7   |C     |C     |

作曲

Billy Strayhorn, Duke Ellington

小節数

32小節

筆者の演奏のポイント(一般向け)

「SATIN DOLL」はデュークエリントン楽団による初演の後、歌詞が付けられています。多くのジャズミュージシャンに演奏され、今ではジャズスタンダードの代表曲になっています。コード進行は比較的簡単ですが、複雑にアレンジされた音源が多く存在します。様々なミュージシャンの音源の聴き比べが楽しめる曲とも言えます。
筆者の演奏ではAメロディーはアレンジが特徴的ですが、Bメロディーは比較的譜面通りです。Aメロディーとは異なり、軽快なストライド奏法で演奏しています。こうすることで、AメロディーとBメロディーとの曲調の変化をはっきりさせることができるのです。

筆者のアレンジ方法の解説(上級者向け)

続いて、筆者のアレンジを詳しく解説します。今回は特に特徴的なAメロディーのアレンジ2か所を紹介します。

アレンジ①

Aメロディーでは裏コードを加え、自然なコード進行を維持したまま複雑な演奏にアレンジしています。

Dm G7 |Dm G7 |Em A7 |Em A7 |

例えば1小節目は「Dm」→「A♭7」→「G7」→「E♭7」、3小節目は「Em」→「B♭7」→「A7」→「F7」という具合にアレンジしています。次のコードに自然な半音進行で移行できるようにそれぞれのコードの裏コードを追加している点がポイントです。コードアレンジの考え方は単純ですが、ジャズらしい音使いに変えられる汎用性の高いアレンジ手法です。

アレンジ②

7~8小節目では、コード進行が半音進行になるようにコードを追加し、スムーズながらも複雑な音色で演奏できるようにアレンジを加えています。

|D7    |D♭7   |C     |A7    

実際の演奏でのアレンジは「C7」→「B7」→「B♭7」→「A7」です。全てセブンスコードを用いることでジャズらしい音色に変えることができます。ポイントはテンションノートとして「♯9th」を加えている事です。ジャズらしい心地よく濁った音色を連続して用いることで、ジャズらしい音を強調できます

「SATIN DOLL」おすすめジャズピアノ動画

「SATIN DOLL」のおすすめのジャズピアノ音源を紹介します。

ピアノ楽譜

「SATIN DOLL」のピアノ楽譜を動画で紹介しています。もともとの演奏よりも少し簡単にしています。演奏の参考にしてください。

筆者の演奏について

本記事の「SATIN DOLL」の演奏は本ブログ「ジャズピアノペディア」とYouTubeチャンネル「Midnight Jazz Piano」を運営する筆者の演奏です。筆者は、アドリブソロ無しのジャズピアノ演奏でジャズの曲そのものの魅力を伝える活動をしています。多くのジャズピアニストがテーマだけの演奏をアルバムに収めているように、ジャズの曲はテーマだけでも十分魅力的なのです。これらの動画によってジャズを好きになってもらえると嬉しいです。また、演奏の解説がジャズピアノに興味を持つ方々のスキルアップの一助となれば幸いです。

他の曲の記事を見てみたい方は「ジャズスタンダード」をご覧ください。
最後まで「SATIN DOLL」をご覧いただき、ありがとうございました。

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