OLD FOLKS

「OLD FOLKS」のジャズピアノ

お手本動画とコード譜で演奏方法を解説

「OLD FOLKS」ジャズピアノのお手本

演奏:筆者(jpinfo/Midnight Jazz Piano

「OLD FOLKS」コード譜

|Em A7 |Cm F7 |B♭ E♭7|Am D7 |
|Gm C7 |Am D7 |G7    |Gm C7 |
|Em A7 |Cm F7 |B♭ E♭7|Am D7 |
|Gm C7 |Am D7 |G7    |F     |
|Cm    |F7    |B♭    |E♭7   |
|F  A7 |Dm    |G7    |Gm C7 |
|Em A7 |Cm F7 |B♭ E♭7|Am D7 |
|Gm C7 |Am D7 |Gm C7 |F     |

作曲

Willard Robinson

小節数

32小節

筆者の演奏のポイント(一般向け)

「OLD FOLKS」はMildred Baileyの歌でヒットし、ジャズの定番曲として定着しました。古き良き過去を思い返すような曲です。筆者の演奏はメロディーを比較的シンプルに弾いています。不要な和音は省き、オクターブ奏法と単音によるシンプルな演奏方法によってしんみりした空気を演出できるのです。曲調に変化をつける目的で、オクターブ奏法をところどころバランス良く入れるところが筆者の演奏のポイントになります。
エンディングでは全音進行の音階(ホールトーン)を使っています。ふわっとした音色はエンディングなどの区切りの部分に使うと特に効果的です。

筆者のアレンジ方法の解説(上級者向け)

ここでは筆者のアレンジの特徴を解説してます。「OLD FOLKS」の魅力は、そのしんみりした雰囲気です。主張しないコード進行や音使いを心がけてアレンジすると曲の魅力が引き立ちます。そのような場合は、コード進行をスムーズにアレンジすると良いでしょう。

例えば、6小節目の「Am」→「D7」では裏コードを活用して「Am」→「A♭7」にアレンジしています。コードを半音進行で「G7」につなげることで、音楽がスムーズに進行していうるように感じられます。

|Gm C7 |Am D7 |G7    |Gm C7 

筆者の演奏では、8小節目も同様に裏コードを用いています。「Gm」→「C7」という進行を「Gm」→「G♭7」に変更しているのです。5小節目に出てくる「Gm」→「C7」の箇所と雰囲気の違いを聴き比べてみてください。

また、21小節目では異なるアレンジを加えて演奏しています。セブンスを裏コードに変更するだけではありません。

F  A7 |Dm    |G7    |Gm C7 |

実際の演奏では「F」→「A7」の進行を「F」→「Em」→「E♭7」として演奏しています。この変化は、「A7」を「II→V」進行に置き換えた上で「A7」を裏コードの「E♭7」に変更しているのです。こうすると、コードのルート音の変化は「F」→「E」→「E♭」→「D」となり、この半音進行によって滑らかな雰囲気にできるのです。滑らかなコード進行にアレンジすることで、伴奏の主張が弱くなります。相対的にメロディーの旋律を際立たせる効果が生まれるのです。

筆者の演奏について

本記事の「OLD FOLKS」の演奏は本ブログ「ジャズピアノペディア」とYouTubeチャンネル「Midnight Jazz Piano」を運営する筆者の演奏です。筆者は、アドリブソロ無しのジャズピアノ演奏でジャズの曲そのものの魅力を伝える活動をしています。多くのジャズピアニストがテーマだけの演奏をアルバムに収めているように、ジャズの曲はテーマだけでも十分魅力的なのです。これらの動画によってジャズを好きになってもらえると嬉しいです。また、演奏の解説がジャズピアノに興味を持つ方々のスキルアップの一助となれば幸いです。

他の曲の記事を見てみたい方は「ジャズスタンダード」をご覧ください。
最後まで「OLD FOLKS」をご覧いただき、ありがとうございました。

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