MY IDEAL

「MY IDEAL」のジャズピアノ

お手本動画とコード譜で演奏方法を解説

「MY IDEAL」ジャズピアノのお手本

演奏:筆者(jpinfo/Midnight Jazz Piano

「MY IDEAL」コード譜

|E♭ C7 |Fm    |D♭7C7 |F7    |
|Fm7B♭7|E♭ G7 |Cm F7 |B7 B♭7|
|E♭ C7 |Fm    |D♭7C7 |F7    |
|Fm7A♭m|E♭ C7 |Fm B♭7|E♭    |

作曲

Richard A. Whiting, Newell Chase

小節数

16小節

筆者の演奏のポイント(一般向け)

「MY IDEAL」はミュージカルの挿入歌として使われました。今ではジャズスタンダードとして親しまれています。
曲が16小節で短いことに加え、ジャズの曲では一般的な「A→A→B→A」ではなく、「A→A’」という構成であることが特徴です。曲の構成だけでなく、短い曲の中にも個性を出すための工夫が施されています。
3小節目と11小節目のコード進行は半音進行で音程が下がるように作曲されています。加えて、8小節目にも半音進行で音程が下がるコード進行が現れます。このような和音の進行は、一般的な「II→V」というコード進行とは違い、不明瞭で力が抜けたような雰囲気になります。これらのコード進行が16小節の短い曲の中に3か所も現れるため、独特なゆったりとした雰囲気が演出されるのです。
筆者の演奏では、スローテンポでのストライド奏法を8分音符のリズムを基調として演奏しています。こうすることで、曲の特徴であるゆったり感をより強調し、曲そのものの魅力を際立たせているのです。

筆者のアレンジ方法の解説(上級者向け)

ここでは筆者のアレンジ方法を解説していきます。曲の特徴的なコード進行は、曲の魅力の核となる部分なので、3小節目、8小節目、11小節目の半音下がるコード進行にはアレンジは加えない方が好ましいです。
筆者のアレンジで特徴的な部分は、6小節目にあります。「E♭」→「G7」のコード進行をアレンジしているのです。

|Fm7B♭7|E♭ G7 |Cm F7 |B7 B♭7|

実際の演奏で用いたコードは「E♭」→「D7」→「D♭7」というコード進行です。「G7」を裏コードである「D♭7」に変更し、コードが半音進行になるよう「D7」を間に加えているのです。すると、次の小節の「Cm」まで半音進行でコードが下がり続けることになります。このようにアレンジすると「MY IDEAL」特徴的な半音進行で音程が下がる箇所が増え、曲の特徴をより際立たせる効果が得られます

筆者の演奏について

本記事の「MY IDEAL」の演奏は本ブログ「ジャズピアノペディア」とYouTubeチャンネル「Midnight Jazz Piano」を運営する筆者の演奏です。筆者は、アドリブソロ無しのジャズピアノ演奏でジャズの曲そのものの魅力を伝える活動をしています。多くのジャズピアニストがテーマだけの演奏をアルバムに収めているように、ジャズの曲はテーマだけでも十分魅力的なのです。これらの動画によってジャズを好きになってもらえると嬉しいです。また、演奏の解説がジャズピアノに興味を持つ方々のスキルアップの一助となれば幸いです。

他の曲の記事を見てみたい方は「ジャズスタンダード」をご覧ください。
最後まで「MY IDEAL」をご覧いただき、ありがとうございました。


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