POLKA DOTS AND MOON BEAMS

「POLKA DOTS AND MOON BEAMS」のジャズピアノ

お手本動画とコード譜で演奏方法を解説

「POLKA DOTS AND MOON BEAMS」ジャズピアノのお手本

演奏:筆者(jpinfo/Midnight Jazz Piano

「POLKA DOTS AND MOON BEAMS」コード譜

|E♭ Cm |Fm B♭7|E♭ Cm |Fm G7 |
|Cm D♭7|E♭ G♭7|Fm7B♭7|C7 B♭7|
|E♭ Cm |Fm B♭7|E♭ Cm |Fm G7 |
|Cm D♭7|E♭ G♭7|Fm7B♭7|C7 D7 |
|G  Em |Am D7 |G  Em |Am D7 |
|G  Em |Am D7 |Gm C7 |Fm7B♭7|
|E♭ Cm |Fm B♭7|E♭ Cm |Fm G7 |
|Cm D♭7|E♭ G♭7|Fm7B♭7|E♭    |

作曲

Jimmy Van Heusen

小節数

32小節

筆者の演奏のポイント(一般向け)

「POLKA DOTS AND MOON BEAMS」は、トミードーシー楽団にいたフランクシナトラが歌ったヒット曲です。美しいメロディーが特徴的なジャズの定番曲となっています。メロディーの特徴の一つに1小節目のフレーズが3小節目にも繰り返される点が挙げられます。1曲のうちに、Aメロディー(1~8小節目)が3回繰り返されるため、このフレーズが合計6回演奏されることになります。そのため、聴き手はこのフレーズを覚えやすいのです。さらに、似たような旋律がBメロディー(17~24小節)にも含まれています。
メロディーが覚えやすい反面、演奏に変化をつけないと単調な曲になってしまいます。筆者の演奏では、通常音域と高音域をバランス良く使い分けることで、演奏に変化をつけているのです。同じフレーズが頻出する曲では、演奏方法にひと手間加えて、単調な演奏にならないように心がけましょう。

筆者のアレンジ方法の解説(上級者向け)

続いて、筆者が行った曲のアレンジ方法を解説します。1小節目のコード進行は、1曲を通して合計6回現れます。すべての箇所で同じ演奏にしてしまうと、演奏が単調になってしまいます。筆者の演奏ではこのコード進行に変化をつけ、演奏が単調になってしまうのを防いでいるのです。以下、具体的なコードアレンジを解説します。

E♭ Cm |Fm B♭7|E♭ Cm |Fm G7 |

実際の演奏では「E♭」と「Cm」のコード進行をスムーズにするため、2つのコードの間に「D7」「D♭7」を加えています。この方法で演奏できるコード進行は、下に示す①~③の3パターンになります。また、「Cm」から次の小節の「Fm」への移りをスムーズにする目的で「G♭7」を加えると、④のコード進行に変えられます。これらをすべて組み合わせた最も複雑なコード進行として、⑤のパターンが得られます。すると、「メロディー1音ごとにコードを変えて弾く」という複雑な音色の演奏が簡単にできるのです。

①「E♭」→「D7」→「Cm」
②「E♭」→「D♭」→「Cm」
③「E♭」→「D7」→「D♭7」→「Cm」
④「E♭」→「Cm」→「G♭7」
⑤「E♭」→「D7」→「D♭7」→「Cm」→「G♭7」

実際の演奏では、譜面通りのコード進行に加え、上記のアレンジを組み合わせています。譜面では同じコード進行だとしても、ベースラインや音色に変化を加えることで、曲調が単調にならないように工夫できるのです。

筆者の演奏について

本記事の「POLKA DOTS AND MOON BEAMS」の演奏は本ブログ「ジャズピアノペディア」とYouTubeチャンネル「Midnight Jazz Piano」を運営する筆者の演奏です。筆者は、アドリブソロ無しのジャズピアノ演奏でジャズの曲そのものの魅力を伝える活動をしています。多くのジャズピアニストがテーマだけの演奏をアルバムに収めているように、ジャズの曲はテーマだけでも十分魅力的なのです。これらの動画によってジャズを好きになってもらえると嬉しいです。また、演奏の解説がジャズピアノに興味を持つ方々のスキルアップの一助となれば幸いです。

他の曲の記事を見てみたい方は「ジャズスタンダード」をご覧ください。
最後まで「POLKA DOTS AND MOON BEAMS」をご覧いただき、ありがとうございました。

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